1,600万人超の会員決済を支えるGMOペイメントゲートウェイの決済代行サービス
株式会社アダストリア(以下、アダストリア)は、東京都渋谷区に本拠を置くカジュアルファッションを中心としたSPA(製造小売業)会社。同社が運営するファッションECストア「.st(ドットエスティ)※」では、2017年から決済パートナーとしてGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、GMO-PG)のPGマルチペイメントサービスが採用されています。ユーザー目線のECサイト運営を実現する決済代行サービスについて、担当者にお話を伺いました。
※.st(ドットエスティ)は2024年10月よりand ST(アンドエスティ)へ名称変更。本記事における以下の社名・役職・サービス名称等は2023年9月現在。
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Index
- 会員数1,600万人超のECサイトを持つSPA アダストリア
- 顧客ニーズの多様化に対応するため決済手段の追加を検討
- 今後の決済手段拡充へ向けOpenAPIタイプを採用
- きめ細かいサポートで稼働後もトラブル「0」
- 不正利用対策にもいち早く対応
- 愛され続けるEC実現のためGMO-PGがお役に立てること
会員数1,600万人超のECサイトを持つSPA アダストリア
アダストリアは<グローバルワーク>や<ニコアンド>・<ローリーズファーム>といったブランドを展開するSPA会社。ファッション及びライフスタイル分野で30以上もの自社ブランドを擁し、Play fashion!をミッションに2023年には創業70周年を迎えました。
アダストリアの強みは、ブランド開発から販売までをグループ内で行えること。
販売プラットフォームとして自社ECサイト .st(ドットエスティ)を運用し、
会員数は2023年5月末時点で約1,600万人、
サイト内取り扱いブランドも55を超え、2021年5月には当サイトと連携したリアル店舗「ドットエスティストア」もオープンしています。
顧客ニーズの多様化に対応するため決済手段の追加を検討
アダストリアが決済代行サービスとしてGMO-PGを採用したのは2017年のこと。
.st(ドットエスティ)ではもともと、購入に際して各決済会社と直接契約・直接接続を中心に対応していました。しかし、ECサイトを一新するにあたって、時代の変化によるお客様の購入方法やニーズの多様化を考慮し、決済代行サービス導入の検討を開始。複数社を比較検討する中で、GMO-PGも候補に上がっていました。
マーケティング本部シニアマネジャー 本多 由美子氏
「実は、決済代行サービスを検討する数年前より、当時のGMO-PG担当者から様々なご提案をいただいていました。
私たちがサービス採用段階で特に重視しているのは、“人”です。
導入するサービスももちろん大切ではありますが、最終的にビジネスを展開する上では相手のことを信用・信頼できるかどうかが最も大切だといえます。
各営業担当の方の中で対応や人柄が最も信頼できると判断し、GMO-PGに決定しました」と語るのはマーケティング本部シニアマネジャーを務める本多 由美子氏。
アダストリアでは各決済会社との直接契約を維持しながら、決済プラットフォームとしてGMO-PGのオンライン総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」を採用。
PGマルチペイメントサービス経由で各決済会社と接続しています。
「2017年に採用してから5年半ほどになりますが、今でも“人”でPGマルチペイメントサービスを導入したことは正解だったと自信をもっていえます。当時から担当の方は変わりましたが、現在でもきめ細やかな対応やリマインドなど丁寧にフォローいただいており、非常に助かっています」(本多氏)
「嬉しいお言葉、ありがとうございます。.st(ドットエスティ)の売上向上に寄与できるよう、継続的に様々なご提案をさせていただいています。また各種のお申込書などの書類では記載事項も多岐に渡るため、こまめにご連絡させていただいています」と、GMO-PGの営業 田中 佐和子はいいます。
GMO-PG 田中 佐和子
今後の決済手段拡充へ向けOpenAPIタイプを採用
アダストリアでは2022年、.st(ドットエスティ)の決済方法にd払い決済の追加採用を決定しました。
「もともと.st(ドットエスティ)は、dポイント連携を行っていましたが、ご購入者様の中でも特にドコモ系のユーザー様が多かったこともあり、d払い決済の追加を決定しました。」(本多氏)
「d払い決済の追加をGMO-PGの田中さんに相談したところ、
PGマルチペイメントサービスの新たな接続方式であるOpenAPIタイプをご提案いただきました。
最初にご提案いただいた際の率直な感想は“こんな良いものを計画しているなら早く作ってほしかった”というもの。それほどメリットを感じました。
ECサイトにおいて決済手段を追加するデメリットは、開発工数と管理の煩雑さです。
従来の決済手段追加における課題を克服できるOpenAPIタイプのお話をいただいた時点で、
すぐに導入するしかないと感じ、採用することにしました」(本多氏)
PGマルチペイメントサービスでは30以上の多彩な決済手段に接続が可能。
ECサイトや決済方法などにより複数の接続方式をご用意しています。
2023年5月のPGマルチペイメントサービスメジャーアップデートでリリースされた新たな接続方式が、OpenAPIタイプ。
実績が多くニーズの高い12種の決済手段をカバーし、
世界標準のAPI仕様であるOpenAPIを積極採用した接続方式です。
これまではすべて個別で開発が必要だった決済手段を、「クレジットカード払い」・「Pay払い」・「現金払い」の3つにグルーピング。
最新のリファレンスは常にWebで公開しており、
エンジニアが決済代行サービスや決済手段ごとの独自APIを覚える必要はなく、
OpenAPIについて理解していれば簡単に扱うことができるもの。
各APIグループの初回開発を行ったのちの決済手段追加において、
大幅な開発工数の削減・時間の短縮を可能にした接続方式です。
今回のd払い決済におけるOpenAPIタイプでの開発にあたっては、DX戦略部マネジャーを務める萱場 匡氏も参画。
「ご提案いただいた当初はまだ構想段階の接続方式。当社のd払い決済追加におけるOpenAPIタイプの採用が決定され、リリース期日が定まったタイミングで今回のプロジェクトに入りました。何度もやり取りをおこない、リリースに合わせて開発を進めていきました」(萱場氏)
DX戦略部マネジャー 萱場 匡氏
ECサイトにおける決済手段追加がもたらすメリットを、従来よりも少ない工数で獲得できる新たな接続方式OpenAPIタイプ。OpenAPIタイプによる決済手段の充実は、今後の新規顧客獲得につながる可能性を含んでいるといいます。
「売上増加・利用者拡大を視野に入れると、ECサイトにおける決済手段のプライオリティは非常に高いといえます。決済手段が多様化している現代だからこそ、お客様のニーズに応えられるサイト設計や決済手段追加は、適宜対応していくべき。だからこそ、少ない工数で決済手段を追加することのできるOpenAPIタイプの存在は、今後の新規顧客獲得に向けて大きく貢献してくれるものと実感しています」(本多氏)
きめ細かいサポートで稼働後もトラブル「0」
2023年6月から導入されたOpenAPIタイプでのd払い決済は、リリース後もトラブルなく稼働しており、萱場氏も高く評価しています。
「システムの実装から稼働開始までおよそ2〜3ヶ月間。日々の業務と並行しながら、かつ実際に開発を担当したエンジニアではOpenAPIについて使用経験がなかったこともあり、他の開発同様のラーニングコストが発生しましたが、想定よりもスピード感を持って進めることができました。
今回新たに導入したd払い決済は稼働開始からトラブルはゼロ。どんなサービスもスタート後は何かしらトラブルが発生することが多い中で、一切起こっていないというのは本当に素晴らしいですね」
GMO-PGの田中は、社内のOpenAPIタイプ開発やアップデートと並行してアダストリア様での開発が進められていた当時を振り返りました。
「リリース前から開発に携わってくださっていたこともあり短いタイミングで改変が重なるなど、アダストリア様やエンジニア様にとって大変なことも多かったかと思います。リリースを経た現在では、APIリファレンスも公開し利用しやすくなっていますので、次回以降の決済手段追加の際には大幅に工数が削減できるものと考えています」
実装から稼働までを安心して乗り越えられたのは、GMO-PGのサポートの存在もあったといいます。
「今回の稼働に際して、不明点や操作方法に関する相談などの細かな連絡でも、田中さんをはじめGMO-PGの方には迅速に対応していただき大変心強かったです。基本的には、メールや電話でのやりとりになりますが、必要に応じてウェブ会議の場を設けて説明もしてくださり、当社専属のパートナーのようですね。
OpenAPIタイプ最大のメリットは、次回以降に決済手段を追加する際の障壁の低さ。今後も更なる決済手段の追加を検討しているため、今から楽しみです。」(萱場氏)
不正利用対策にもいち早く対応
現在、ECサイトにおけるクレジットカードの不正利用対策として「EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)」の導入が義務化となり、2025年3月までに対応することが求められています。EMV 3-Dセキュアの仕組みは、商品購入にあたり購入者の情報をもとにリスク度を判定、その必要に応じてパスワード入力等による本人認証を行うもの。これにより不正利用による取引のリスクを抑える対策です。
アダストリアでは不正利用対策は必須のものと考え、もともと導入していた3Dセキュア1.0の閉塞に先立ち2022年6月からEMV 3-Dセキュアの導入にいち早く取り組んでいました。
「田中さんから1.0の閉塞を聞いてすぐにEMV 3-Dセキュア導入へ踏み切りました。
EMV 3-Dセキュアは、不正利用へのセキュリティ効果だけでなく、
1.0のデメリットとされていた毎回のパスワード認証というカゴ落ちにつながるユーザビリティが改善されている点もいいですね。パスワードを求められずに購入完了できるフリクションレスフローによって購入時の顧客離反を抑えることができている可能性はあります。
他の取り組みとの相乗効果も相まって、同タイミングでクレジットカードでの売上が向上したという結果も。
また、チャージバックの免責はECサイト運営をする上で私たちECサイト事業者にとってメリットが大きいことも実感しています。今も継続的にセキュリティ対策については田中さんにご相談しています」(本多氏)
愛され続けるEC実現のためGMO-PGがお役に立てること
今回追加したd払い決済については、.st(ドットエスティ)の会員様から便利になった、とのお声をいただいているといいます。
「決済手段が増えれば、.st(ドットエスティ)の会員様にとっての利便性向上につながります。今回の評価を受け、新規獲得・CV改善・カゴ落ち防止などの効果が見込める新たな決済手段の追加も検討していきたいと考えています。
引き続きGMO-PGに相談させていただきながら、お客様にとって便利なサイトを作り上げていきたいですね」(本多氏)
決済方法が増え便利なサイトになれば、新規顧客を含むより多くのエンドユーザー様が訪れるようになります。今後は決済手段を増やし若年層にもアプローチしていきたいと本多氏はいいます。
「歳を重ねながら人生を歩み、趣味趣向が少しずつ変わってもアダストリア内のブランドを選び続けていただける、長い年月愛され続けるような居場所になることが私たちの理想のECサイトの形です。
老若男女と幅広い世代に利用していただくのはもちろん、決済手段を充実させながら若い世代の方々にもっとアピールできるようなサイトを目指していきたいと考えています」
より多くの人に愛してもらえるECサイトの実現を目指す本多氏。最後に今後の展望について伺いました。
「今後は、導入後の変化や現状把握のため、利用率や新規顧客獲得・年間の利用回数といったデータ収集と分析にも力を入れていきたいと考えています。今回はd払い決済を追加しましたが、実際の売上数値にはどのように影響してくるのかを試行錯誤しながら、新しく追加すべき決済手段についてポジティブに議論していきたいです」
萱場氏もこれまでのコミュニケーションからGMO-PGへ期待を寄せています。「これからも継続的に決済手段の追加や最新のセキュリティ・有用なソリューションを導入していくことを視野に入れています。担当していただいている田中さんには、ぜひ今後とも幅広いご提案をいただきながら情報交換していきたいですね」
(左から)アダストリア 萱場氏・本多氏・GMO-PG 田中
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株式会社アダストリア <グローバルワーク>・<ニコアンド>・<ローリーズファーム>など、グループで30以上の自社ブランドを国内外で展開するSPA企業。 |
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and ST(アンドエスティ) 株式会社アンドエスティが手掛ける自社ECサイト「.st(ドットエスティ)」は会員数1,800万人を誇り、ファッション・ライフスタイル分野の自社ブランドに加え、幅広いアイテムを取り揃えています。 |
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