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本の循環を目指すVALUE BOOKS。GMO-PG送金サービスでコスト削減と自動化を実現

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書籍などの買取・販売サービス「VALUE BOOKS」を展開する株式会社VALUE BOOKSでは、2020年よりGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、GMO-PG)の総合オンライン決済サービス「PGマルチペイメントサービス」を採用しています。このたび、買取代金の送金で新たに「GMO-PG送金サービス」を導入しました。

「日本および世界中の人々が本を自由に読み・学び・楽しむ環境を整える」というミッションを掲げる同社が、決済に続き「GMO-PG送金サービス」を導入した背景や成果、今後の展望について、取締役の中村 和義氏とサービス導入を推進した逢坂 恭平氏にお話を伺いました。(役職・情報等は2024年12月時点)


 
  INDEX

 

書籍等の買取・販売を行うVALUE BOOKS。
「より良い本の循環」を実現するための様々な取り組み

2007年創業の株式会社VALUE BOOKSは、長野県上田市に本社を構え、書籍を中心に買取・販売を行う「VALUE BOOKS(バリューブックス)」・「Vaboo(バブー)」や、本を通じた寄付のプラットフォーム「charibon(チャリボン)」など、書籍関連事業を幅広く展開している企業です。

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書籍の買取・販売というイメージの強い同社ですが、独自の取り組みも数多く手がけており、その根底にある「日本および世界中の人々が自由に本を読み・学び・そして楽しむ環境を整える」というミッションを随所に垣間見ることができます。

私たちが大切にしているのは “より良い本の循環を作ること” です」と語るのは取締役 中村 和義氏。同社には毎日約3万冊の書籍が集まるなか、本の状態のほかインターネット市場での需要と供給のバランスが崩れている等の様々な理由により、その半数となる約1.5万冊に値段を付けられず古紙回収に回さざるを得ない現状があるといいます。

vb_004株式会社VALUE BOOKS 取締役 中村 和義氏

この課題に対処するため、同社では様々なプロジェクトを実施しています。
例えば、買取できなかった本を小学校や保育施設を中心に寄贈する「BOOK GIFT」プロジェクトや、実店舗で安価に販売する「Valuebooks Lab」を展開。また、それらの本を活用してノートに生まれ変わらせる「本だったノート」も開発し販売しています。さらに、新たに処分予定の本で紙製品を作るプロジェクトも進行中です。また、VALUEBOOKS ECOSYSTEMというプロジェクトとして値崩れしにくい本を出版されている出版社と連携し、古本の売上の一部を出版社に還元する活動も行っています。

vb_003古紙回収される予定だった本を再利用して作られた「本だったノート」

 

創業時から続く「本の循環」への取り組み

「VALUE BOOKSは、創業者の中村 大樹が古本を集めて販売しながら生計を立てるという、 “せどり” と言われる手法でビジネスをスタートしました。そのため、当初は決して大きなヴィジョンがあったわけではなく、事業が大きくなっていくなかで現れてくる課題に対し解決できる方法を、その都度試行錯誤して向き合ってきました。その結果として『本の循環』に関わる様々な取り組みを生みながら、企業としても成長してきた会社です。
15年以上続く『BOOK GIFTプロジェクト』では、集計を始めた2017年からでも、6万冊以上の本を保育園や小学校、被災地などに届けてきました」(中村氏)

また、同社では組織づくりの側面も重視しており、働きやすい環境の整備に注力しています。事業基盤を固めるべく効率も重視していたこれまでは、パートタイムなど自由な働き方を取り入れてきました。結果として女性従業員が多い環境にありながら賃金は男性が多いなど、ジェンダーギャップが生じていることに改めて目を向け改善に取り組んでいます。
2024年10月には「B Corp認証」を取得、決算書のみでなく、B Corpの指標を活用しながら社会的責任を果たす企業づくりを進めています。

※ B Corp認証:社会や環境への配慮、透明性のある経営、社員や地域社会への責任を重視する企業に与えられる国際的な認証。認証を受けるには「B Impact Assessment(Bインパクト・アセスメント)」を行い、審査を経て200を超える基準において80点以上を獲得し、事業を通じて持続可能な未来を目指す企業と評価される必要があります。2024年12月現在、日本国内では49社が認証を取得しています。

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買取申し込みの約半数がリピーター。
「本を捨てずに循環させる姿勢に共感いただいているのかも」

同社の核となるビジネス「VALUE BOOKS」では、年間約20万件の買取申し込みがあり、月平均は約1万7,000件にのぼります。そのうちおよそ半数がリピーターによるもの。
2024年12月時点の会員数は約55万人、毎日約400人の新規登録を受け付けています。

VALUE BOOKSのサイトには、何度も本を売却している利用者のインタビューが紹介されています。手放した冊数の多さにも驚かされますが、その声も魅力的で、本を大切にする方がサービスを利用している印象を受けます。

“本をできるだけ捨てずに活かしたい” という当社の考え方に共感、賛同して利用される方が多いのではないかと考えています」と語るのは、これまで利用者の声に耳を傾け対応してきた逢坂 恭平氏。

vb_006株式会社VALUE BOOKS 逢坂 恭平氏

VALUE BOOKSの買取業務はオンラインで完結します。

  1.    買取希望者(出品者)がサイトで会員登録・申し込み
  2.    運送会社が集荷
  3.    到着した買取物を開梱・査定し、結果を出品者へ通知
  4.    出品者が買取内容を承諾
  5.    買取金の振込み

特に査定業務には多くの時間と労力がかかり、1日1,000〜1,300箱の査定を行っているといいます。
買取依頼1件あたりの平均買取額は約3,362円、平均箱数は1.7箱、冊数にして五十数冊程度となっています。
「査定業務は、精神的にも物理的にも大きな負担を伴う工程。当社では30~40人のスタッフで対応しています。このプロセスがもっとも工数を要しています」(逢坂氏)

 

数あるサービスからVALUE BOOKSを選ぶ価値とは

多くの古本・書籍等の買取・販売サービスがあるなかで、VALUE BOOKSが選ばれる理由はどういったところにあるのでしょうか。

お客様の感じ方は様々ですが、としながらも中村氏は次のように分析します。
「主に以下の点が挙げられると考えています。

  • 使いやすさ
  • 高い買取価格とクーポンなどの充実
  • リーズナブルな販売価格

また “本の循環” の理念に基づき、単なる売買にとどまらず、読者と本のつながりを深めることも他のサービスとの大きな違いです。
同様のビジネスを展開する他社様では総合リユースを展開し、品目を広げることで売上を伸ばしていますが、当社は本に特化することで、読書体験をより充実させるきめ細やかなサービスを提供しています。

限られた在庫数から、いかに新たな出合いを生み出せるかにもこだわりを持っています。例えば出版日を0歳とし本の年齢から絞り込むVALUE BOOKS独自の書齢検索機能を活用すれば、まだ知らないロングセラー本を見つけることも可能です。また、興味関心やキーワードを入れるだけでおすすめの本を紹介してくれる、独自の選書AIも開発してリリースしました」(中村氏)

「使いやすさという点では他にも、“本棚スキャン” や “ライブラリ” などの便利な機能をご提供しています。本棚スキャンは、スマホで撮影した本棚の情報を認識し、売却可能な価格を表示する仕組みです。本の販売価格が簡単に把握できるため、気軽に売ってみようと思っていただけているのではないでしょうか。

古本をCtoCのマーケットで販売する流れも依然としてありますが、冊数の分だけ出品の手間がかかります。対して当社のような買取サービスはまとめて送るだけの手軽な点もお客様視点で魅力だと考えています」(逢坂氏)

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本に特化した環境だからこそ生まれるユニークなアイディアは集客方法でも発揮されています。

「最近では、YouTubeやポッドキャストなどのメディアを通じて本に興味を持つ人も増えていますよね。例えば、言語や歴史をテーマにした<ゆる言語学ラジオ>や<コテンラジオ>のような番組では、その内容に触発されて本を手に取る人が多いようです。当社では、こうした番組にスポンサーとして協力し、紹介された本をVALUE BOOKSで販売することで本の購買促進につなげています。そして、そこから得た利益をメディアに還元しています。この方法は、広告よりも効率的に循環が生まれやすいと実感しています。
さらに、VALUE BOOKSでも<積読チャンネル>や<本チャンネル>といったYouTubeチャンネルを始め、自ら本と人とのより良い接点を作り出すことにも力も入れています」(中村氏)

VALUE BOOKSならではの機能や取り組みは利用者からも評価が高いそう。

「以前、アンケートを通じてお客様の声を伺った経験があります。その頃はまだ提供できる本の数は今ほど多くはなかったものの、好意的な評価をいただきました。

特に印象的だったのは、“ライブラリ機能“に関するもの。この機能では、VALUE BOOKSへ送った本が記録されます。自分が過去に所有していた本を見返すことができ、思い出深い本を再発見できます。ライブラリから購入もできるので、一度手放した本を再び手元に置きたいというニーズにもお応えする仕組みです。
お客様からは “便利でとても良かった” という声を多くいただきました。さらに、SNSとの連携を進めることで、この機能の効果をより一層高めることができると考えています」(逢坂氏)

VALUE BOOKSのサービスが本の循環を促進することで、本を手放すきっかけになったという声もあると逢坂氏。「お客様からの共感とともにサービスをご利用いただけていることをとても嬉しく思います」(逢坂氏)

本への深い愛着は多くの人にとって特別なものであり、同社のサービスは、その思いを次の持ち主へと受け継ぐ役割を担うもの。本の循環という思いに共感し、本を大切にする方々によってVALUE BOOKSの利用者は拡大を続けています。

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同社が手掛ける実店舗「本と茶 NABO」では集中して本を読みたい人へ読書室として開放する取り組みもスタート

 

2020年よりGMO-PGの決済サービスを通じてクレジットカード決済を導入

2020年にVALUE BOOKSが自社の販売サイトを開設する際、GMO-PGの総合オンライン決済サービス「PGマルチペイメントサービス」によるクレジットカード決済を採用しました。

「導入当時の担当者は複数の決済サービスを比較したそうですが、結果的に手数料の安さと知名度の高さによる安定感がポイントとなりGMO-PGに決定しました。

PGマルチペイメントサービスが初めて自社で利用する決済サービスだったので稼働後の他社との比較は難しいですが、これまで問題なく運用できていることに加え、大量アタックなどのサイバー攻撃にも迅速に対応していただけるので安心して利用できています」(逢坂氏)

 

手数料軽減と入金自動化のため送金サービスを導入。
約70万円のコストと業務工数を大幅削減

一方、買取金の入金に関しては以前より銀行振込を利用していましたが、数年前に手数料削減のため、とある送金サービスを導入。しかし、その送金サービスが終了することとなり再度銀行振込に戻していました。
好調な利用者拡大に伴い増加を続ける振込業務と手数料を目のあたりにした逢坂氏は再度送金サービスを見直すことにし、最終的にGMO-PG送金サービスを採用しました。

「いくつかのサービスと比較し、GMO-PG送金サービスを選んだ決め手は、以下の点です。

  • 手数料の安さ
  • 自動化への対応
  • 企業としての信頼・堅牢度

現状では毎月2万件近い取引があるため、少しの手数料差でも大きなコスト削減が期待できます。手数料によるコスト削減はもっとも大きな決め手でしたが、GMO-PGの浜田さんには入金件数や金額などを丁寧にヒアリングしていただき、納得のいく内容でご提案いただきました」(逢坂氏)

vb_009GMO-PG 営業 浜田 翔

オンラインでの買取の場合には留意しなければならないこともあるといいます。

古本買取の場合、古物営業法のルールとして “3点一致” が求められます。本人確認書類の氏名・住所と集荷先情報、そして振込先口座の名義が一致しなければなりません。

例えば他のキャッシュレス決済方法にも送金機能がありますが、これらのルールに適していない部分があり、現状では銀行振込以外では対応できません。振込対応可能なことはサービス選定において必須事項でした。

銀行振込を継続しながらコスト削減を実現することが大きな目標でしたが、GMO-PG送金サービスを導入後、月間で約70万円の削減に成功しています」(逢坂氏)

 

先行事例

 

振込作業にかかる時間は3分の1程度に。
繁忙期にも左右されない環境を実現

GMO-PG送金サービスを導入したことで自動化対応が進み、作業工数の削減や手作業リスクを軽減するという改善においても期待通りだという逢坂氏。

「特に、お金を扱う重要な業務において人的ミスを減らすことが重要な課題であり、自動化を積極的に進める必要があると考えていました。

GMO-PG送金サービス導入後、忙しい時期でも効率化のおかげで少ない人数で余裕を持って業務を進められています。忙しさの波をコントロールするのは難しいですが、業務の見通しが立てやすくなりました。
年末年始にかけては大掃除などで片付けされる方が増えるため、例年買取依頼が増加する時期。しかし欠員が出ても、人員不足を感じることなく対応できているという嬉しい状況です」(逢坂氏)

GMO-PG送金サービス稼働からすでに数ヶ月が経過した現在、見えてきた課題などはあるのでしょうか。

「もともと決済で利用していたためGMO-PGという企業に対して信頼はありましたが、送金サービスの開発に関する質問にも、迅速に対応していただけたのでとても助かりました。

実際に使用してみると、特に問題なく安定して利用できている点が非常に良いですね。不便に感じることがなく、スムーズに運用できています。以前の送金サービスでは認証手続きにもう一手間かかっていたので、その点も改善されて助かっています」(逢坂氏)

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「現在、初回振込は完全自動化ができています。ただ、お客様ご自身の登録間違いなどから発生するエラーや再振込が必要な場合は、まだ人手を介している場面があります。完全自動化が進めば、振込作業にかかる時間は約30~40分から10分未満に短縮でき、さらに作業を大幅に削減できると考えています」(逢坂氏)

 

本のより良い循環を目指し広がるヴィジョン。
AIも活用し多彩なアイディアを実現にしていく

VALUE BOOKSでは自社内で積極的にAI活用に取り組んでいます。すでに選書AIや本の音声解説など実装されている機能も多数存在します。

「今後は人手を介して対応することの多い顧客対応についても、AIを取り入れることによる均一化やスピードアップを目指していきたいと考えています。

また、他社のサイバー攻撃事例を見て自社の備えをより強固にしなければと考えているところ。GMO-PGにはサイトの安全性を高める仕組みや解説を引き続きいただきたいですね。

出張買取時のキャッシュレス化など運用効率化はもちろんのこと、利便性や顧客満足度向上につながるアイディアを踏まえ、さらに柔軟にご提案いただけることを期待しています」(逢坂氏)

vb_011(左から)GMO-PG 浜田、VALUE BOOKS 逢坂氏・中村氏

最後に株式会社VALUE BOOKSが考える未来について中村氏に伺いました。

「私たちは、本と人との関係性がより豊かになるように、本の “より良い循環” を目指しています」(中村氏)

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「現在も様々なパートナーと共同でプロジェクトを進めていますが、今後はさらにその規模を拡大し、私たちが業界の “ハブ” としての役割を果たすことができたらいいなと考えています具体的には、単に本の売買にとどまらず、大量生産・大量消費の問題に向き合いながら、本を通じて新たな価値を創出することを目指していきたいです」(中村氏)

vb_0132017年に同社がスタートした無書店地域を中心に日本全国へ本を届けるブックバスのプロジェクト

 

株式会社VALUE BOOKSのように、持続可能な社会づくりに積極的に取り組み、業界の変革を目指す企業に対して、GMO-PGはその挑戦を支援するパートナーとして、共に成長し変革を推進するサービスを提供し未来を共に切り開いていきます。

 

 

VALUE BOOKSのロゴ

 

株式会社VALUE BOOKS

長野県上田市を拠点に「自由に本を読み・学び・楽しむ環境を整える」をミッションに掲げる同社。書籍の買取・販売を行うオンライン書店「VALUE BOOKS」を中心に本を通じた寄付「チャリボン」、ブックカフェ「本と茶 NABO」、移動式書店「ブックバス」、古本の再利用を推進する「BOOK GIFT」などを通じ、多様な本との出会いを提供することで本の循環を実現しています。

https://www.valuebooks.jp/

 

 

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